看護師にとっても緩和ケアを理解すると同時に、患者本人やその家族と向き合うことは重要です。
いわゆる終末期医療を迎えた患者を支えることは医師とともに看護師の責務といえるのかもしれません。
緩和ケアの大前提となっているのが、死を自然の流れとして受け入れることにあります。
不要な延命治療や反対に死期を早めるようなことをすることなく、自然に最期を迎えるような治療です。
医療現場で度々のように耳にするようになったQOLに基づいての取り組みであるという点も特徴といえます。
QOLとは、生活の質という意味を表しており、より人間らしく生き抜くことを目標としています。
患者の意思を尊重しながら、充実した日々を送ることができるように医師や看護師もサポートするのです。
従来の緩和ケアといえば、とにかく、延命治療を優先することに努めていました。
一日でも長く生きるということを目標にした取り組みが続き、患者本人はもとより、家族にとっても耐え難い日々が続くことになります。
日本の緩和ケアの取り組みに大きな影響を与えることになるのが、WHOです。
WHOの指針によれば、緩和ケアをいち早く取り入れることが、患者やその家族の負担を結果的に軽くすることにつながるといいます。
標準治療と緩和ケアを組み合わせることで、精神的な負担を軽減することが可能です。
緩和ケアをどの段階から始めるかについては、医師の判断に委ねられるのが一般的となっていますが、徐々に早い段階からスタートするケースが増えています。
緩和ケアについてさらに掘り下げたい方は、【緩和ケアを考える】というサイトも併せて読んでおきましょう。