昔と現在では緩和ケアに対する考え方が異なってきており、昔は治療を継続的に施しても十分な結果を期待できない場合に緩和ケアに移行することが多くありました。
しかし現在は初期の段階から治療と緩和ケアを並行する方法が主流となっており、痛みやつらさを軽減することを徹底しています。
看護師が緩和ケアの正しい知識を持つことで、患者を精神的な苦痛から救うのです。
生命を脅かす疾患に対して治療だけで対処しても、症状が進行していくばかりで痛みやつらさが増大していくことが多くあります。
こうした場合は緩和ケアを導入し、苦痛を最小限に抑えつつ生活の質を高めていく対策が必要です。
人間には必ず死がやってくるもので、それを自然なものだと受け入れることが重要です。
がんは発見が遅れるほど治癒が難しくなり、少しずつ心身を蝕んでいきます。
看護師が患者に対してやるべきことは、患者が少しでも楽しく過ごせるようにサポートすることです。
緩和ケアを始めるタイミングは、患者がつらさを訴えたときです。
精神に不安を抱えてしまうと怒りっぽくなったり、食事が喉を通らなくなったりすることがよくあります。
また睡眠障害が発生して寝不足になるなど、さらに心身を蝕んでいくのです。
緩和ケアでは看護師が患者のメンタルをいかに安定させるかが重要になってきます。
病棟だけでなく外来や在宅での緩和ケアもあり、患者の希望や症状にあわせて使い分けていく必要があります。
いかに患者を落ち込ませず、治療に専念してもらうかが鍵になるのです。